コミュニティのビジョンは「問い」から始まる—『「コミュニティ」づくりの教科書』を読んで考えたこと

こんにちは!
人生100年時代のキャリアの語り場 コミュニティオーナー兼、
TAiWĀ代表の川村です。

コミュニティを運営していると、
「この場って何のためにあるんだっけ?」という瞬間が必ず来ます。
最近、『コミュニティ」づくりの教科書』を読み、改めて痛感したのは、ビジョンが曖昧だと、運営もメンバーも迷子になるということ。

一方で、ビジョンが言葉になっていると、企画も意思決定も“迷いが減る”
「やる/やらない」の判断軸がそろうからです。

ここから、自分が主催する「人生100年時代のキャリアの語り場」のビジョンを言語化してみました。

1. なぜ“キャリアの場”にビジョンが要るのか

キャリア・仕事の話は、放っておくと「転職ノウハウ」「目先のスキル」「手段の最適化」に流れがちです。
それ自体は役に立ちますが、“何のために働くのか”という上位の目的が抜けると、議論が分散して軸がぶれる。

  • 企画が積み上がらない
  • 参加者ごとにゴールがばらばら
  • イベント後に行動が続かない

この“ばらけ”を束ねるのが”ビジョン”です。

2. 候補にあった言葉:「面白い生き方」 vs 「豊かな人生」

はじめに浮かんだのは「面白い生き方」。ただ、ここには弱点があります。
“面白さ”の基準は人によって違い、安定や安心を重視する人を排除してしまう恐れがある。

そこで一段上の概念に上げ、「豊かな人生」という言葉を検討しました。
“豊かさ”なら、

新しい挑戦にワクワクすることも、

家族や健康を大切にすることも、

ものづくりに没頭することも、

同じ地平で扱えます。
包摂性が高く、価値観の多様性に耐えられる。

ただし、ここで新たな課題が出ます。
「豊かさ」って、結局なんなのか?―抽象的すぎる問題です。

3. 解決策:ビジョンを「定義」ではなく「問い」で持つ

“豊かさ”の唯一の定義は作れません。だからこそ、ビジョンを「問いのかたち」で掲げると腹落ちします。

“豊かさとは何か?”を探求するコミュニティ

この姿勢にすると、

  • メンバー各自の文脈を尊重できる
  • 運営は“正解を伝える”ではなく“探求の場づくり”に専念できる
  • テーマが時間とともに深まっていく(陳腐化しない)

“豊かさ”は人・時期・状況で変わる可変概念。だから、固定化ではなく更新し続ける問いとして持つのが自然です。

4. では、どう探求するのか(運営デザイン)

「豊かさとは何か?」を探求するコミュニティにするために、僕が大切にしたい前提はシンプルです。

それは、“対話”を通じて、多様な価値観に触れ合える環境をつくること。

■「豊かさ」は揃えるものではない

“豊かさ”は、人によってまったく違う。
それは、その人が歩んできた人生・背景・考え方によって形づくられているからです。

だからこそ、豊かさを一意に定義したり、揃えようとすること自体がナンセンス。
むしろ必要なのは、他人の価値観を尊重し、違いを許容できる空気。
「自分と違っていてもいい」「正解はひとつじゃない」という前提が共有されている場です。

■他者の豊かさを知る意味

人はどうしても、自分が生きてきた枠の中でしか世界を捉えられません。
けれど、たかだか20年・30年・40年生きただけで、世の中の理を理解できるはずがない。

だからこそ、自分以外の人生観や価値観に触れることが、自分の可能性や選択肢を広げるきっかけになる。

僕自身、ヒッチハイクやシェアハウス、多くの人との対話を通して、想像以上にさまざまな生き方や考え方があることを知りました。

その経験があるからこそ、僕は断言できます。

「色んな価値観を知った方が、人生は面白いし、生きやすくなる。」

■自分の“豊かさ”を考え直す

他者の豊かさを知ったうえで改めて問うのは、
「じゃあ自分は、どう生きたいのか?」

ここで初めて、“自分にとっての豊かさ”を探求することができます。
他者と出会い、学び、自分の軸に照らし合わせながら、「自分だけの人生を、自分らしく生きる」方向性を言葉にしていく。

それが、このコミュニティでやりたいことです。

■豊かさが広がっていく連鎖

そして、自分なりに言語化した“豊かさ”を他の人に伝えると、今度は相手の枠が広がります。
共通する豊かさを感じる人同士は自然に仲良くなれるし、違う豊かさを持つ人とも、「違い」を認め合いながら関係を築くことができる。

そういう循環が起きれば、一人ひとりの豊かさが社会全体に波紋のように広がっていくはずです。

■結論

僕にとっての“豊かさ”とは、

互いに違う“豊かさ”を分かち合いながら、
より面白く、
より生きやすい社会をつくっていく
こと。

その未来を形にしたい。

だからこそ、「人生100年時代のキャリアの語り場」を、
“豊かさとは何か?”を探求するコミュニティとして育てていきたいと思っています。

5. 現時点での結論(暫定)

本を読んで考えた結果、現時点での僕の結論は―

「“豊かさとは何か?”を探求するコミュニティ」

これを「人生100年時代のキャリアの語り場」のビジョンとして掲げます。
キャリアや仕事は豊かさを実現するための手段。
答えを配るのではなく、問いを持ち寄り、対話し、学び合う。
その循環をみんなで回す場にします。

ビジョンは完成形ではありません。
コミュニティとともに更新される仮説です。
だからこそ、今回言語化したこの一文も、これからの対話の中で磨いていければと思っています。